日時: 2008年03月05日 13:30
恵那山の雪解けにはまだ早い浅い春。はざま酒造の大吟醸酒 五味饗宴 耀(かがよひ)の「搾り」が行われる。
搾りとは、醪(もろみ)から生酒を搾る、まさに酒が生まれる瞬間の作業のこと。「耀」は、酒袋に醪に入れて槽(ふね)に積み上げ、
その自然の重みで酒を搾る手絞り。吟醸酒は機械で搾ることができず、人の手作業と自然の重みでゆっくりと酒が搾られるのである。
大吟醸酒の搾りは、静かに流れるように始まる。待ちタンクから流れ落ちる醪の音のほか、聞こえてくるのは人が動く音のみ。
タンクから酒袋に入れた醪を、手前の「槽」
に積み上げる。すべて蔵人の手始業。
大吟醸酒の酒母造りが始まったのは去年の大晦日。寒さの厳しさが増す1月の半ばに仕込が始まった。徹底した低温管理と長期の発酵。
タンクの中でゆっくりと熟成された味と香りが、いよいよ酒になる。
「今年の米はできばえがとてもよく、酒職人にはとてもありがたい米です」と語る、杜氏の安藤さん。大吟醸酒の作業は、
何年酒造りに携わっても緊張する作業なのだとか。そして、その緊張感以上に、今年の酒の出来具合に心が躍る感覚も湧き上がってくるという。
酒袋が槽に積まれてまもなく、槽口(ふなくち)から真白な酒が流れ始める・・・・蔵の中は、大吟醸酒だけが放つことができる、
甘く華やかな香りに満たされる。作業は続く。1枚の酒袋に入れる醪は約7ℓ。今回は約120袋が槽に積み上げられる計算だ。
槽口からの酒の勢いが増す。透明な酒が出始める頃、「斗瓶(とびん)」といわれるびんに酒を詰める。斗瓶に詰める酒は、
品評会への出品酒や「耀」になるもっとも「うまいところ」。斗瓶にこぼれ落ちる酒の音は、まるで水琴窟に落ちる水の音のように軽やかだ。
「今年もよい酒ができました」と杜氏の安藤さん。雑味がとても少なく、 やや甘めの口当たりがよい酒はフルーティーな香りを纏っている。今回搾った大吟醸酒が「耀」として販売されるのは、さらに熟成させ、味の荒さが取れた秋ごろだという。

はざま酒造 蔵開き
日時 3月8日(土)10:00~17:00
3月9日(日)10:00~16:00
場所 はざま酒造
入場・試飲は無料です。
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